2015年3月23日月曜日

RC213V-Sプロトタイプを見た

ついにこの日が来てしまった。私は、あまりにバッテリーの持ちが悪くなってきたのでそろそろ買い換えたいiPhone5を持ったまま、しばし呆然としていた。画面には「加藤裕」の名と、通話終了の赤いボタン。その赤丸は、私にとって赤信号の点灯そのものであった。

ゲッカンタカハシゴーの加藤編集長からの電話は、いつになく短かった(普段はすげえ長い)。しかし、短いだけに破壊力があり、とりつく島はなかった。

「プルルル、あ、ごう? ゲッカンタカハシゴーのブログ、次いつ書くつもり?」
「へ? あ、いや、何にも考えてませんでした」
「あーそう。あっのっさぁ(←似てる)、できれば今日か明日、RC213V-Sについて書いてくんない? っていうのは、明日あたりレーサーズのブログを書くからさ、そこからリンクしたいんだよね。じゃ、よろしく! ブツ。ツー、ツー、ツー」

自由意志でノビノビと書いていたブログ。大切に温めてきたブログ。黄身が1ヶ所で固まらないように、たまにコロコロ転がしたりしてたブログ。殻を割って出てくる時は、外からそっと手助けしてあげたブログ。ブログって……ヒナ?

仕事ではアー書ケコー書ケ、コンダケ書ケイツマデニ書ケ、イマ書ケスグ書ケ、ネルナクソスンナ風呂入ルナ書ケ書ケ書ケと何かと縛りごとが多い中、それらに関係なく自由に翼を羽ばたかせ〆切文字量原稿料にいっさい頓着せずただひたすら書きたいように書くことができるヒナ……じゃない、書くことができるブログは、オレにとってガスの元栓、タイヤのエアバルブ、オナラの出口、すなわちガス抜きというか心のよりどころであった。

しかし、ついにこの日が来てしまったのだ。業務命令として「ブログを書け」と言われる日が……。「今日、明日のうちにRC213V-Sについて書く」。こりゃまさに内容および〆切が決められた業務に他ならない。ああもうオレは好き放題に書けるヒナを失って……じゃない、書けるブログを失ってしまったのだ。

翼をもがれたオレ。空から墜ちるオレ。地面に転がり、自らの体に群がってくるアリンコを眺め、そのモゾモゾした感触がくすぐったいな、と思いながら静かに目を閉じるオレ。僕、もう、眠いんだ……。

……。

いや負けるなチクショー!! 好き放題ヒナについて書いてやるぜ!!! あ、違った。RC213V-Sについて書けばいいんですねそうですね。RC213V-Sプロトタイプね。先日、撮影に行ってきたんですけど、なんとタイヤがふたつにエンジンひとつの、いかにもバイクっぽいバイクでしたよ!! はい終了!!!

あ、いや、分かんないな。撮影当日は、カウルをムキムキすることはできなかったんだ。だからカウルをひっ剥がしたらポロポロポロポロッてエンジンが5、6個落ちてくるかもしれない。3月27〜29日の東京モーターサイクルショーではカウルを外して展示するって言ってたし、皆さんその辺じっくりチェックしてみてください。エンジン何個積んでるか。

タイヤはね、確実に2個だった。あ、いや、それも分かんないな。撮影当日はカウルをムキムキすることはできなかったんだ。だからカウルをひっ剥がしたらポロポロポロポロッてタイヤが5、6個落ちてくるかもしれない。モーターサイクルショーではカウルを外して展示するかも、みたいな話もしてたし、皆さんその辺じっくりチェックしてみてください。タイヤ何本積んでるか。

それぐらい、今んとこ秘密だらけなんですよ。撮影現場にはとーぜんホンダの方たちも立ち会ってるから、それとなーくいろいろ聞いてみるんだけど、なーんにも教えてくれない。何か聞いても「あ、それは言えない」「それ? さあ何でしょねえ?」「それは聞かないでよ」「ツーン」といった具合で、まるで箝口令が敷かれてるみたいだ。敷かれてるのか。そうだよね。まだ開発中のプロトタイプモデルをこうして間近で見て、撮影できることでもありがたいことですよ。へえへえ。ありがてぇこってす。げっへへ。

RC213V-Sについては、ゲッカンタカハシゴーの第2ゴーでしっかりとページを割いて紹介します。いやでも紹介って言っても、とにかく今の時点ではホンダのどなたに何を聞いても「ツーン」「シーン」「アワワワワワワ(耳をふさいでギュウッて目ぇつぶってる)」と教えてくれないので、いわゆるマシン解説的な情報はあまり……というかほとんど書けないと思います。エンジンとタイヤの数ぐらいはちゃんと確認したいけど。

が、見れば見るほどいろいろ考えさせられるバイクなのは確かです。いろんな意味ですげえバイクだと思うし、ホントにカウルの中にとんでもない隠し球があるかもしれないし、ホンダが何考えてるのかも知りたいけど「ツーン」だし。そうやってつらつら考えたことをビシャーッと書き綴っていこうと思っています。

↑RC-213V-S。よ〜く見ると、タイヤがふたつであることが確認できる。ああ、今ココにバイクについての感想を書くわけにはいかぬのだ……。書いちゃうとさ、本番原稿(なんかエロい)を書く時に、印象が散っちゃうんだよね。まだ本番ネタ(ますますエロい……)は頭の中で温めておきます。発酵させます。腐敗させますん。させません。

↑撮影しながら、加藤編集長がホンダの人に「エンジン音、聞きたいなぁ。どんな音するんですかね? まだ誰も聞いたことないんですもんね。聞きたいなぁ。聞かせてくれないかなぁ。ダメかなぁ」と言ってるのが聞こえてきて、そのあまりの真剣ぶりに「Youtubeで見られますよ」と言えなくなった……。これはRC213V-Sのエンジン音が聞ける、ホンダ公式動画。動画は2014EICMAの時のもの。18分30秒あたりからマルク・マルケスがRC213V-Sのエンジンをブインブインと吹かしながら登場します。音、聞けまくり。

↑隠微なスポットライトに照らし出されるMカメラマンと加藤編集長があまりに美しくて、ついパチリ。ふたりはアヤシイ関係……ではないと思うけど、本当にアヤシイ関係かもしれないから触れないでおこうっと……。

おわり。


あ、大阪モーターサイクルショーではすでにカウル剥かれてるんだね。エンジン、やっぱり1個っぽいな……。

2015年3月19日木曜日

第2ゴー制作に障壁

フッ、フリッ、フリーランスたるもの、つっ、常に心身を錬磨し、下丹田に力を入れて病魔を追い払い、心頭滅却すれば火も涼し、ちょっ、ちょっとした発熱ぐらいモノともせず、グッ、日々の業務に邁進すべきであ……あ……、バタ。


……なんか熱の出方がおかしい。今までにない破壊力だ。しかも咳や鼻水が出ない。ただひたすら発熱・悪寒・頭痛・関節痛だけだ。いやでもこんなの風邪だ。風邪に決まってる。いやでもなんか違うっぽい。まぁいっか、どうなるか面白ぇから病院行ってみっか。

近所の病院に行くと、フランクな雰囲気の美魔女医さんがしなりしなりと登場した。年の頃は30代半ばだろうか、前をはだけた白衣からシックなアースカラーのセーターを覗かせ、何だよこの人ホントにお医者さんかよ、というぐらいラフな感じでなんつうかカッチョいい。

「風邪だと思うんスけどね」
「……(ニッコリ)」
「っていうか風邪だと信じてるんスけどね」
「……だといいわね。じゃ、調べてみよっか」
「いいけど絶対風邪ッスよ。だって今日オレこれから仕事だし」
「あららら」

長〜い綿棒で鼻の穴をホジホジされ、「あふっ……。ハナクソびろーんって付いてたらどうしよう」と懸念しつつ、いったん待合室に出て控えていると、再び美魔女医さんに呼び出され、「ざーんねん。インフルエンザね。A型よ。お出かけは禁止(はぁと)。どうする? 投薬かお注射か……。どちらでも、お・好・み・で……」などと言われ、おちゅおちゅおっちゅーお注射お注射おおおおねおねおねお願いします、と即刻点滴をしてもらうことにした。


点滴ちっくん自体はおかん的な看護師さんだったが、それはそれでまたよし。10分少々の陶酔の点滴を終えると、受付のお姉さん、「チーン、お会計、3960円になります」。

よよよ4000円!! たっ、高ぇ……。
もしやオレ、いいカモでしたか……?

おわり。


……あーあ。ホントはこんなことじゃなくて、もっと有用な第2ゴーに向けての準備情報などを記すつもりでしたんですよ! 先日、RC213V-Sの撮影などして、いろいろ考えさせられましたとともに着々と制作が進行ひておりまひゅ。体調が戻りひだひ改めてご報告ひましゅね……。(高橋剛)